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2016年08月14日

ダサい男の第星話「安堵」

←前回の話し

ベンチに腰掛けた怪しげな女性・・・フードをかぶっている為、表情どころか、その頭部があるべき場所にちゃんと顔のパーツを配置させているのかもわからない状況。しかし、そこからこぼれた「声」に反応し、声をあげてしまった。


「なんだ、どうしたんだ?


ぜんっぜんビビってない!そぶりをしながら、なんとなく聞き覚えのある声を記憶の中で照合しながらも、その弱々しい声からつい優しげな、そしてなれなれしい反応となってしまった。まるで緊張感のない言葉。


とたん、記憶の中で照合中だった「話者認識」の結果が出た。特定された個人は、数ヶ月前に入社した女性パート社員「ゆう」さんだ。体系はやせ形ではないが、「ふくよか」とも表現しづらいノーマルな体系。綺麗か?可愛いか?どちらかで褒めなさいと質問されれば大概の人は「可愛い」と答えるであろう顔立ちの27歳の既婚女性だ。


さらにとたん。いろいろと突っ込みどころが頭に浮かんでくる。どのような順でこの状況を進めていけばよいのか?攻略本が欲しい状況。思い出すのは、下心満載で始めてみたが期待する展開がなくやめてしまった「ハイキュー!」。ブルマ姿は隠しコマンドが必要なのか?と攻略法を探した事。


ともあれ、フードをかぶり顔がわからない状況ではあるが、ほぼ確定と思われる人物の名を読んでみる。


「ゆうちゃん?」


「お、おつかれさまです・・・」


「いや、ゆうちゃんの方が「お疲れ」のように見えるけど?家この変なの?」


一気に通常モードへ警戒レベルを下げ、心拍数を下げる努力を悟られないように下っ腹に力を込めて、声の震えを抑えるように話しかける。彼女は顔をあげない。


不安なんですけど!実は知らない人でした!とかオチがあるのではないかと、急に不安になりだす。


「ゆうちゃんだよね?」


「はい・・・」と静かに返事をしたように聞こえた。しかし、ただ頷いただけだった。嫌な事があると夜、この公園で気持ちを落ち着かせるのだという。メンヘラ?いやいや部下に対して変な事を思うでない!


正直、「こんな夜中に女子が一人でそうしていたら心のない人に襲われるぞ」と言ってやりたかったが「別にいいんです」なんて答えをされたら「お持ち帰り」してしまいそうなのでありきたりな言葉を掛ける


「こんな夜中に女子が一人でそうしていたら危険だぞ」


ほぼ一緒の意味だった。よく考えれば逆に彼女が襲いそうな風貌でもある。もちろん狂気じみた襲うの意味で。


「すみません・・・」


ほんと少女のようだ。ただ星を眺めて時間を過ごすだけよりはこうして怪しい行動をする部下と話すのも悪くないかと思い、「俺で構わなかったら」と相談相手になろうか?と話しかける。こうした行動をとる女子は一人でどうにもできないにも関わらず、助けを求める声をあげられない為、行動をもって助けを求めているのだと思う。まぁ男子もそうかもしれない。ただの「かまってちゃん」か?


いや、「神待ち」?
公衆電話.jpg



うぶそうな顔立ちだった「ゆうちゃん」だが、フードの下にはいやらしいスケベな顔があるかもしれない。妄想は基本的にそっち方面に働くようになった。さっきまでの危機管理マニュアルは"工口"によって完全に白紙となってしまった。


しかし、上司と部下という関係でありまた、そんなAVの企画にありそうな展開は実際問題あるようなものじゃないと気持ちを切り替え彼女の話を聞く事に決めた。


決めたのは自分であり、彼女が話すかどうかはわからないが。


その心配は必要なかった。彼女が抱えている悩みは勿体つけることなく、まさにこうして誰かに話せる事を待っていたかのように淡々と話されるのだった。




posted by 奥手な男 at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月08日

ダサい男の第星話 「始動」


←前回の話し

「危機管理」とは「万が一に備える」と言うように考えても良いと思う。HACCPやISOなどでは「危害分析」からどのポイントを管理すればよいのか?と言う点を明確にし、それぞれに管理方法を設定する。その管理手段が効果的であるか?などの評価・検証を実施する事も重要な事としている。


これから行われようとしている事は、そこまでの話ではない。さっき作成され、頭の中にしかない「危機管理マニュアル」は「万が一」が訪れた時、それどころではなくなってしまうだろう。ほんの数分、いやもっと短かっただろうか?そんな瞬間的な思いつきでは、どこまでの事を想定できたのだろうか?


どれくらいの間ベンチに腰かけていたのか?立ち上がろうと体を動かしだす。すると関節の各部位がびっくりしたのだろう?意識とはワンテンポ遅れて動き出したような感覚。それだけ、脳みそだけに神経を集中させてこれから起こる事をあれこれ想定していたのだろう。シミュレーションだ。


ちなみに「シミュレーション」という言葉、会話でも文章でも、もはやニュアンスで理解できてしまうが、間違っている事が多々ある。英語で書くと"simulation"であり、カタカナ表記では「シミュレーション」の方が本来の発音に近い。というか、こちらが正解と言える。


シミュレーション・・・○
シュミレーション・・・×



声に出して言ってみよう。普段どちらを使っているだろうか?発音するとき、シュミレーションのほうが言いやすいのではないでしょうか?そのため、そのまま間違いが浸透してしまったのではないだろうか?


しかし、論文やプレゼンなどでそのまま使用していては「この人ったら脳のみそが赤いのか?」なんて思われてしまうかもしれない。少なくとも基本的に「みそ」白味噌派の方々からは失笑されたり言語力を疑われたりと赤っ恥を書かされるかもしれない。


パソコンなどで打ってみると間違いを指摘したりしてくれるものもあったり、「趣味レーション」とうまく変換されなかったりと気付くチャンスはいくつかある。


しかし、強引にもカタカナ変換をさせ、そのような教育をソフトにしてしまうと、使う側とマシン側の両方とも馬鹿のままで一生を終えてしまう事になる。”ヒューマンエラー”とも言えるだろうか?


シミュレーションは「趣味」じゃない!と覚えればよいだろう。まさに趣味の範囲でなく、最悪生死を揺るがす事になるやもしれぬと本気で考えたのだ。だからこそ体の各部位への情報伝達が意志よりも遅れたのだと思う。


そうして、脇に置いたバックを持ち、もちろん左手にだ、ベンチから立ち上がる。さっきまで見上げていた夜空にほんの少し近づいた。気がした。そしてその影に向かって歩き出す。

screenshot_2015-08-06_2254-1.jpg


影に向かうつもりはないが、出口へ向かおうとすると止むを得ずそうなるのだ。反対側は大きな側溝。フェンスが立てられている。


そこで気がつく!


「人だ!」


実際は声に出していない。心の声だ。先ほどのマニュアルでの「人間以外であった場合」にとるべき対応としての「自分自身のとっさの判断にゆだねる」は発動されずに済みそうだ。


しかし、そこで浅はかだった自分に気がつく。


人間の形をした「人間以外」だった場合はどうすればよいのだ?


いまさらベンチに戻るのも挙動不審であるし、かといってここで立ち止まるのも、その影に警戒心を持たせてしまうような気がする。


クールに決めたいところだが、叫んで逃げたいどころじゃなくビビってきた。


そして


「あぁ・・・かちょう・・・」


女性っぽい女性の声が聞こえた気がする。その影からなのか別の場所なのか?一瞬戸惑ったがその影からの声であると思い次の声、または動きを待った。いろいろな思考をしていながらも実は歩みは止まっておらず、ほぼ影の前まで来ていた自分が「その声」でようやく立ち止まった事に気がついた。


よく見ると、その影はベンチにうなだれてパーカーのフードをかぶり、個人的には自分がしたいファッションであるデカダンな風貌の女性だった。いや声だけであり、この時点では決めつけられないはずなのだが、自分の事だけにネタばれしており女性だった。


次の声は自分が出すことになる・・・・





次のお話 →

posted by 奥手な男 at 21:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 己物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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